開発見直しの説明会2013年09月14日

昨夜、TX(つくばエクスプレス)のたなか駅周辺の区画整理事業を進めているURが、開発エリアの縮小を伴う事業計画変更(2回目)案の地元住民説明会を行いました。大室ふるさとセンターで行われ、私も参加し説明を伺ってきました。

正式には柏北部東地区一体型特定土地区画整理事業といい、12年前から事業がスタートしています。当初は、総面積170ha、いままで1㎡あたり7.8万円の土地が17,1万円・2,19倍に跳ね上がることを前提に、17000人が住み着く街をつくる計画で、総事業費620億円というものでした。区画整理は、街並み、インフラを整備することによって土地の資産価値が上がることを前提に、地権者のみなさんから減歩という仕組みで、40%の土地を提供していただいて保留地をつくり、その保留地を値上がりした価格で売却し、そのお金を事業費の一部にするという計画です。当初この地区は、保留地の売却資金で、総事業費の8割(506億円)を賄う計画でした。

しかし2008(H20)年に、地価の下落が続く中で、計画通りに地価の上昇が見込めないことから、予定していた開発後の地価、17,1万円/㎡を、13,2万円/㎡へ、23%も引き下げて、総事業費も当初の80%、501億円へと下方修正しました。当然、保留地の売却による収入見込みも、506億円→390億円・77%へと引き下げざるをえませんでした。

その後、2011(H23)年、UR都市機構全体の事業収束との関係で、いまだ手付かずの大室東エリア(全体の1/4)を区画整理区域から除外すると発表しました。そして除外後の事業計画案の説明会が今回、行われたのです。

今回の説明会は4日間予定されており、昨夜の参加者は10人程度でした。

まず、総面積を170ha→128haへ、42ha縮小すること、事業期間をH30→H35に延長すること、さらに事業費も全体で501億円→443億円へと引き下げる報告がありました。問題はその中身です。土地を売って事業費にあてる予定の保留地処分金が、5年前・390億円と2割もダウンさせたのに、今回はさらに4割ダウンの251億円(▲138億円)と大幅引下げです。もちろん開発面積縮小に伴う減もあるでしょうが、URは「地価の下落等に歯止めがかからず、保留地処分金が大幅に減少する傾向にある」と説明。つまりこれは土地の右肩上がりを前提にした計画・区画整理事業は、今の経済情勢の下では成り立たない、「土地神話」の破綻を認めたことになるのです。その結果、全体事業費の穴埋めに、新たにURが80億円もの資金を注ぎ込む計画になっています。

日本共産党は県議会や市議会で、住民犠牲、環境破壊そして財政を破綻させる無謀なTX沿線巨大開発の見直しを繰り返し求めてきました。私も県議会の場で「計画通りに土地価格が騰がらなければ、その穴埋めに県民の税金を注ぎ込むことになる。」と指摘してきましたが、図らずも今回の変更案は、その指摘通りになってしまいました。

大室地域で20年来反対運動を進めている、大室協議会の顔見知りの方も参加していました。その方は帰り際に「俺たちが言ってきたとおりになったじゃねえか。結局80億円も税金を注ぎ込む、ムダ使いだ。なんでもっと早く見直さなかったのかなぁ。行政の開発は始まったら止まらないんだよな。5年延ばしたって土地が売れなければ事業は終わらない、また税金を注ぎ込むのか」と語り、怒りを滲ませていましたが、私もその通りだと思いました。

 土地利用計画、黄色の部分が除外されます。

 

 面積の増減

 

 資金計画

 

 東地区の大室西エリア、急ピッチで造成工事が進められています。