TXの無法行為は許せない2014年06月19日

TX(つくばエクスプレス)の駅舎などの施設管理や修繕工事などを請け負ってきたS社へ、TXを運行する首都圏新都市鉄道㈱が事務所の立ち退きを迫り、労賃の未払いにも応じないなどの無法ぶりは、加藤英雄事務所ニュース・6月号(ホームページ参照)でお知らせしました。

 いま「ブラック企業」「ブラックな働かせ方」という言葉が当たり前のように使われるようになり、厚生労働省も昨年、全国的に調査に乗り出しました。しかし雇用関係になくても、TXの下請いじめは、ブラック企業そのものではありませんか。

 公共交通として乗降客を増やしている鉄道ですが、第三セクターと言っても、資本金1850億円の9割は沿線自治体が出資する、いわば自治体丸がかえの会社なのです。そこでこんな無法行為が行われているなど、断じて許されるものではありません。

 振り返ってみれば、1985年の運輸政策審議会で「常磐線の混雑緩和を主目的に」第二常磐線的意味合いで答申が示されました。しかし、1989年、「大都市地域における宅地開発及び鉄道整備に一体的推進に関する特別措置法」(宅鉄法)が成立し、鉄道の周辺を区画整理事業によって大規模に開発する計画へと変質していくのです。自治体が開発区域内を分散的・虫食い的に先買いした土地を区画整理法に基づいて「集約換地」(分散した土地を一箇所にまとめる)して鉄道用地に当てるという初めての手法がとられました。

時はまさにバブル真っ盛りでした。アメリカとの約束で公共投資基本計画(10年間で430兆円の公共事業を行う)が作られ、内需拡大と称した大型公共事業が全国で展開されていったときでした。

 当初は鉄道建設・運営の主体はJRでと考えられていたようですが、JRは採算が取れないと撤退し、1991年、TXを建設・運営する第三セクターとして首都圏新都市鉄道㈱が設立されます。しかし民間からの鉄道への出資はほとんどなく、民間大手はむしろ沿線巨大開発による経済効果へと傾注していったように思います。

 鉄道の建設費も二転三転し、鉄道免許申請時は8000億円。それが1兆500億円まで膨れ上がり、第2次見直しで9400億円となり、最終的に8081億円と聞いています。その資金フレームも、40%が国の無利子貸付、40%一都三県の無利子貸付で、残りの14%が出資金、6%が財政投融資となっています。出資金で見ると千葉県は131億円、柏市が98億円であり、その上千葉県は無利子貸付金・646億円も支出しているのです。

 ですから、千葉県も柏市も大株主であり、その立場から、下請いじめの無法をただす事が必要であり、これから強く求めていきたいと思っています。