今日は県土整備常任委員会2014年06月30日

今日は私の所属する県土整備常任委員会が開催され、予算案や条例関連の議案はなく、契約案件や専決処分など5議案の審議が行われました。

 その中の一つに県営住宅建設の契約金額の増額の議案がありました。国交省は2月に、昨年に引き続き、公共工事に用いる労務単価の引き上げを行いました。それに伴い、千葉県も平均7,3%、設計労務単価を引き上げ、旧労務単価で積算されていた工事などは、特例措置として新労務単価が適用できるとし、労務単価の上昇分、契約金額を引き上げるという内容です。

 建設業に従事する技能労働者の労務費・賃金の引き上げは、もとより大賛成であり、日本共産党も土建組合のみなさんなどと、労務単価の引き上げを要求してきました。しかし問題は、重層下請構造の建設業において、引き上げられた労務費が、キチンと末端の労働者・職人さんまで行き渡っているかということです。

 まず県内建設業の現状への認識を伺いました。国交省が2度、労務単価の引き上げを行った背景には、「若手の労働者が大きく減少し、高齢化が進展し、このままでは将来の建設業の存続が危惧される」事態となっており、その原因として、一つは「全産業の平均を26%も下回る賃金水準低さ」があり、二つ目には「法令により加入義務のある社会保険等に未加入の企業が多く」福利厚生の不備があるとしています。その上で「適切な賃金水準の確保は喫緊の課題」として労務単価の大幅引き上げを行いました。この点では県も「働き手が高齢化し、若年者が少ない」と、共通の認識を示しました。

 しかし今回の県営住宅の建設工事では、すでに受注者である企業は、3社と下請契約を結んでいます。「この下請契約は、労務単価上昇分を含んだ契約金額になっているのか、どう検証しているのか」との質問に「任意で、口頭で受注者に確認したが、上昇分は含まれているとのことであるが、具体的に検証はしていない」との答弁。結局、一次、二次と下請業者に仕事が発注されていくが、労働者に引き上げられた労務費が払われているかどうかは、業者まかせになっているのです。

 さらに突っ込んで、国交省の通達にそって質問しました。国交省の通達では昨年の実態調査をもとに、より突っ込んだ内容となっています。一つは、新労務単価の額で下請契約がされるよう、支払の指導や支払状況の確認をするよう要請しています。二つに、引き上げられた労務費の水準での賃金の支払を指導することを求めています。これらの点を示して県の対応を迫りましたが、「建設工事適正化指導要綱に基づき指導をし、適正に行われている」というのを繰り返すだけでした。国の動きに沿って労務単価は引き上げたが、その徹底については何も具体的手立てが打たれていないのが実態だというのが明らかになりました。

 「本当に県内建設業の将来の発展を考えるなら、いま末端労働者まで新労務単価が徹底されているか、しっかり握る必要がある」と、県発注工事における、実態調査を求めましたが「国の調査の動向を見て」との返答しかありませんでした。まったく主体性のない県の姿勢も明らかになりました。

 国交省は、建設業団体へも、民間の発注者団体へも同様の通知をしているのですから、恐れずに独自の調査に踏み出すべきです。それをやらなければ、いままでと同じように、二次・三次の下請業者、そこで働く労働者へしわ寄せがいくだけで何も変わらない、若手の入職者の減少に歯止めがかからない、県内建設業の将来が危ぶまれる事態となってしまします。

 これまでの体質を変えるために、県当局を動かすまで、引き続きこの問題を追及していきます。

 その他、入札・契約に係る改善についても質問しましたが、またまとめて報告します。