県の入札・契約をめぐる問題2014年07月02日

一昨日の県土整備常任委員会の続報です。諸般の質問のところで、入札・契約をめぐる問題、県事業の区画整理区域内での建設業違反の請負などについて質問を行いました。

 

 入札に係る不正行為は、すべて指名競争入札

この間の県発注の工事で、入札に係る談合などの不正行為で摘発されたのは、5年間(2009年~2006年4月決定まで)で4件となっています。一昨年、県職員も絡んだ指名業者選定過程での不正摘発や、昨年は山武土木事務所管内での業界ぐるみとも言うべき、32社が公取委から課徴金納付命令を受けた談合などは、まだ記憶に新しいところです。これはすべて指名競争入札での不正行為です。これまでも、指名競争入札は、競争参加者が限定される、指名が恣意的の行われる弊害などが指摘されています。

 

県土整備部発注の工事の主流は指名競争入札

昨年度の県土整備部発注の工事の比率を見てみると

 ●件数では    一般競争入札  7,48%

          指名競争入札 66,19%

          随意契約   26,33%

その多くは、指名競争入札で行われていることが明らかになりました。

 ●参考までに、埼玉県の一昨年(2012年)の発注件数を見ると

          一般競争入札 69,2%

          指名競争入札 17,8%

          随意契約   13,0%

であり、競争性、公正性が最も確保される一般競争入札が主流となり、指名競争入札や、競争によらない任意で契約相手を決定できる随意契約の比率はきわめて少なくなっています。

 

進まぬ、入札制度改革

どこが違うのか。それは入札の種類を決める基準金額にあります。千葉県は2006年、2億円以上の工事は一般競争入札としていたものを、翌年、2007年10月に5千万円以上へと拡大しています。この背景には、各地で入札に絡む不正が起こり、全国知事会もプロジェクトチームを作り、緊急報告では「一般競争入札の拡大と指名競争入札の原則廃止」「1千万円以上の工事については原則、一般競争入札とする」との方向を打ち出し、全国的に一般競争入札を拡大していく流れとなっていくのです。

 一般競争入札の基準額を1千万以上としている自治体はいくつかの問いに「平成26時点、現在33県」と答弁。これはすでに7割以上の自治体は全国知事会の示した方向で入札改革が進められていることを示しています。ちなみに、一般競争入札の基準額を、埼玉県では500万円以上に、神奈川県では250万円以上にしていることも県当局は承知していました。

 県自身も2007年当時は、千葉県公共調達改革工程表で「一般競争入札の拡大と指名競争入札の原則廃止」を改革の方向としていました。さらに全国知事会に対しては、「1千万円以上は原則一般競争入札に」との調査に、「さらに拡大を検討」と前向きの姿勢を示していました。それから7年、まったく改革は進まず、前述のように指名競争入札と随意契約が主流を占める、旧態依然の発注形態のままとなっています。

 

一般競争入札の拡大、一歩後退?

私は、以前掲げていた「一般競争入札の拡大と指名競争入札の原則廃止」「1千万円以上は原則一般競争入札に」と言うのが、県としての改革の方向なのかと改めて確認しましたが、何度聞いても「不正行為をなくすため競争性を高める」「5千万円以上は妥当な基準額」との答弁で、全国の流れにも逆行し、明らかに後退した答弁でした。

 

入札・契約を公正にするために何が必要か

私は、地方公共団体の入札契約適正化連絡会議が指摘している3点を示し、県の姿勢を質しました。不正がおきにくくするために①手続きに客観性が高く、発注者の裁量の余地を少なくする、②手続きの透明性が高く第三者の監視が容易なものにする、③潜在的な競争参加者の数が多く競争性が高いものにするなどが必要であり、そのためにも「1千万円以上は原則一般競争入札に」の方向が望ましいし、地方自冶法においても一般競争入札が原則だとされているがとの問いに、「一般競争入札は透明性、競争性公正性が高いと認識している」と、答えるに止まり、3点の指摘には言及しませんでした。

 

常任委員会終了後、読売新聞の記者の方が控室に訪れ、「どうも県は後退しているように思う」「常任委員会はいつもあんな答弁なんですか」と。問われたことにまともに答えない県当局の答弁がマスコミの方にも奇異に感じたのだろうか。さらに調査・研究し追及していきます。